『ママチャリお遍路1200KM』 | 本だけ読んで暮らせたら

『ママチャリお遍路1200KM』


『ママチャリお遍路1200km―サラリーマン転覆隊』  本田 亮/著、 小学館(2008)



文章、写真、挿絵、すべてGood!


東京の広告会社に勤める七人のサラリーマン達が、四国霊場88箇所:全行程1200kmをママチャリで巡った紀行文。いや、道中記という方がピッタリかな。


週末+金曜日とか、祝日と週末に挿まれた平日に休暇を取って、3日から5日の連休にする。普段は東京で多忙な仕事をしながらも、何とか都合をやり繰りして、1年間で5回の四国巡りを決行する。


木曜日の夕方に新橋にある会社を抜け出し、羽田から四国に向かう。ママチャリで四国を走った後、月曜の朝一番の飛行機で新橋に戻り、9時半の会議に出席する著者。中には四国で1日走り、翌日の朝には東京で仕事をし、その翌日また四国に来て仲間たちに合流するなんていうツワモノもいる。

平均年齢で40才はとっくに越えている、50歳を越えている者も数人はいる七人のサラリーマン達が、1日の平均走行距離およそ80km/日、を週末の3~5日間で走り抜ける旅。

その5回の四国紀行・・・・・第1ステージ~第5ステージまでの挑戦が記されている。

まァ、挑戦ったって、それほど大層なものでも、また悲壮感があったりするものでもない。著者以外には然したる目的などがあるようには感じられない。朝から晩まで自転車で走って、筋肉痛になりながら宿に辿り着き、温泉に入り、ビールを飲んで寝るだけ。

88箇所のそれぞれの霊場では納経帳に本尊名を記入してもらう。それが1200kmも走るための一つのモチベーションになっている。まさに大人のスタンプラリー。

でも、それがイイ。そういうのがイイ。


この本を読んでいる最中、ワクワクする自分がいた。私も行ってみたい。こういうバカなことをしてみたい。四国じゃなくてもいい。どこか長距離のロードを何日も掛けて走破してみたい。

こういうのを読むと私は直ぐにガブレてしまう。



↓ こんな小説を読んでも同じような気持ちが湧き上ってくる。

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