『老人力』
「老人力」と「老人力②」という2冊の単行本が文庫化にあたって1冊になり,それがその後,電子化され,そいつを読んだ。電子版は“筑摩eBOOKS”というブランド名みたいだ。
ヒトは何十年も生きてると,どこかしらにボケ症状が出てくる。
半世紀を生きた私も最近,ボケを自覚するようになってきた・・・。自覚するうちは本当のボケとは云わない,なんて言う人もいるけど・・・。
本書では,自覚できるボケを取り上げている(と思う)。
で,ボケてたってイイじゃん,脱力してこうぜ,ボケを積極的に捉えようぜ,いい味のボケを楽しもうぜ,ってなことを云ってるんだと思う。
本書で云われてること,もう全面的に同意しちゃうね。
物覚えが悪くなったとか,人の名前が出てこなくなったとかは,私の場合もともとだったので,それは症状のうちに入らない。自覚するのは物事への執着が無くなってきたことだ。
特段,仕事への執着が薄くなってきた感がある。
かつては,他人が主張することなんかで,チョット違うんじゃねえか? こういう考え方もあるんじゃないの? なんて思うと,直ぐに自分の考えを云ってたのが,最近では余り云わなくなった。
あなたの云う通りにやってみましょう,お好きなようにやってください,というふうに変わってきた。“自分の考え”とか“正しい考え”なんてものに対する執着や拘りが殆んど無い。
自分の能力のチョボチョボさを自覚し・・・,見栄や体裁を気にしなくなり・・・,してるうちにボケてきたんだ。そんでもって,そのボケが程良い按配なんだっていう感覚が大きくなってきた。。。
そうか,ボケってイイじゃん!
本書を読むとますますそう思えてくる。
お薦めです。