『大陸と海洋の起源』 | 本だけ読んで暮らせたら

『大陸と海洋の起源』

ず~っと読みたかったんだ,コレ。

どの書店でも見かけない岩波文庫のなかの一つ。 増刷?復刊?してくれないものの一つ。

ひと月ほど前だったか? 急に思い立って古書店で購入。上巻が1987年発行版,下巻が1983年発行版のものだった。定価だった・・・。


DIE ENTSTEHUNG DER KONTINENTE UND OZEANE (1929)
  

『大陸と海洋の起源 (上)(下) 大陸移動説』 アルフレート・ヴェーゲナー/著,都城秋穂・柴藤文子/訳 (岩波文庫 青 907-2(1981)


『種の起源』 などと並ぶ科学啓蒙書の古典の一つ。


耐震設計やら耐震診断だのといった業務を行うことも多い職種上,地震の発生起源などについてもソコソコの知識を入れとかなきゃならない。そうすると必然的にプレート・テクトニクス なんてことにも立ち入らざるを得ない・・・とか,言ってるけど,子供の頃からこのあたりの分野に興味はあったんだ。だぶん。



プレート・テクトニクスが提唱されるだいぶ前から,かつて大陸は大きな一塊で,それが分裂し,移動することを世に知らしめようとしていた人達がいた。そんな人達の中の代表格がヴェーゲナー。本書の出版によって歴史に名を残すことになった。


21世紀初頭の今だから,本書の主張の中に多くの誤りがあることが明らかであるが,大まかな理屈・理論は現在でも充分な説得力を持つ内容である。

まさにオリジナルな学説。


応用の進んだ科学や技術の分野では,あえてオリジナルに触れようとすることって案外少ないんだけど,こういうのを読むと,折に触れて原点に返ることも必要なんだろうな,と思うのであった。


お薦めです。