『天国の囚人』 | 本だけ読んで暮らせたら

『天国の囚人』

だいぶ前の読了本で記事にしてないのが幾つもあるのだが,最近読み終えたコチラを先に記事にしてる・・・。

こんなことをしてると,当ブログが読書メモの呈を成さなくなって行くのだが,もうすでに手遅れか。。。



EL PRISIONERO DEL CIELO (2011)
『天国の囚人』  カルロス・ルイス・サフォン/著, 木村裕美/訳, 集英社文庫(2014)


ルイス・サフォンの「忘れられた本の墓場」シリーズの第3弾。


第1作『風の影』 と第2作『天使のゲーム』 では,主人公が異なり,また二つの物語の時代も違っていて,2作がシリーズものであることを意識する必要もなく,独立した作品としても読めた。

本作も含めて,ここまでの3作は,お互いに連関していながらも,読む順番を気にする必要がないように構成されているようだ。 ・・・ん~っ,見事!


で,本作だが,第1作『風の影』での主人公=ダニエル・センペーレとフェルミン。この二人がまたしても主人公となっている。

本作では,謎の男フェルミンの過去が明かされるが,そこに絡んでくるのが「天国の囚人」こと,ダビッド・マルティン。そう,第2作での主人公である。

フェルミンとダビッド,かつて2人は同じ監獄に収容されていたことがあったのだ。この2人の関係,そして二人を取り巻く人物達が,時を経て,ダニエルにも関係してくる・・・。

そして,すべての作品が連関しだしてくる・・・・。


読み終わって,私の理解(推測)するところでは,シリーズ3作目の本書は,第1作と第2作を繋ぐ要の物語を成しており,それとともに,シリーズを通して流れている謎が何であるのかを整理しているように思える。

おそらくは最終第4作で解明されることになるであろう謎が何なのか? それを読者に再認識してもらうような親切な設計が成されている?(私の勝手な思い込みかもしれない・・・それも最終作で明らかになる。。。)



最終作では,

 ダニエル・センペーレとダビッド・マルティンの2人の行く末は?

 作家フリアン・カラックスとは?

 そして,忘れられた本の墓場とは?

が明らかになるのだろうか????


最終作の訳出はいつなんだろ!? 楽しみです。