『整形前夜』 | 本だけ読んで暮らせたら

『整形前夜』


『整形前夜』  穂村弘/著、 講談社文庫(2012)



緩やかで,柔らかで,ぬく~いエッセイ集・・・・・の様相を呈している。


多くの読者が多少なりとも日常の生活や社会の仕組みや他人との付き合いに対して違和感を感じることがある。自分だけが違うんだろうか?? という感覚。

そんな,何となく感じている読者の想いを,ホムラは巧く表すことができる。だから,ホムラ・エッセイは受けるのだろう。


だが,ところどころ,意地の悪い視点から世の中を見ている著者が浮かび上がる文章がある。

一般読者が思ってもみなかった,ホムラ独自の感覚を披露する文章がある。

そんな文章には,“社会に上手に溶け込めない”と自らを評しながら,実は社会に溶け込みたいなどと全然思っちゃいない(ように見受けられる)ホムラが垣間見える。

そんな文章がイイ。