『木曜日だった男』 | 本だけ読んで暮らせたら

『木曜日だった男』

The Man Who Was Thursday (1905)

『木曜日だった男  一つの悪夢』   G.K.チェスタトン/著、 南条竹則/訳、 光文社古典新訳文庫(2008)


ミステリ・幻想・サスペンス・・・ジャンル不詳・・・の古典的作品。その新訳版。

この著者の作品を読むのは初めて。有名な「ブラウン神父」シリーズは読んだことがない・・・


二人の詩人の出会いから物語は始まる。一人はアナーキスト(無政府主義者)。もう一人の詩人は、アナーキストの振りをして、アナーキストたちの動向を内偵する刑事に採用された主人公。

この主人公が、ひょんなことからアナーキスト秘密結社の幹部の一人、その名も“木曜日”に推挙されてしまう。

アナーキスト秘密結社の幹部会に参加した“木曜日”。

幹部会の議長は“日曜日”と呼ばれる大男。幹部会の書記には“月曜日”と呼ばれる男。他に、“火曜日”から“土曜日”までの名前で呼ばれる男たち、計7人が居並ぶ。


この幹部会のメンバーの中に裏切り者がいる!、と“日曜日”は指弾する。

その裏切り者=警察の内偵者こそ・・・・・・“火曜日”だ、と。 ホッとすると共に、戸惑う主人公の“木曜日”・・・。


・・・ここから、主人公“木曜日”と、曜日の名前を冠せられた男たちとの奇妙な冒険(?)、逃亡劇(?)が始まり・・・・・、主人公は、曜日の男たち一人ひとりの正体を明らかにして行く・・・・・が、・・・・・。。。



木曜日によってその他の曜日の男たちの正体が徐々に明らかになって行く過程と、そこで交わされる会話の妙が面白くて夢中で読んでいったが、最後の最後で幻惑させられて??? 何度読み返しても私には理解不能。 でも、なぜか面白かった。

オチが理解できないのは、私が無知でマヌケだからなのか!? 宗教だか神学だか何か、そのテの背後知識でも持っていないと理解できないのか???

なんとも奇妙で不思議な物語だ。