『ペンギンもクジラも秒速2メートルで泳ぐ ハイテク海洋動物学への招待』 | 本だけ読んで暮らせたら

『ペンギンもクジラも秒速2メートルで泳ぐ ハイテク海洋動物学への招待』


『ペンギンもクジラも秒速2メートルで泳ぐ―ハイテク海洋動物学への招待』  佐藤 克文/著、 光文社新書(2007)


動物学に出現した新たなメソッドを紹介しているのが本書である。

動物にデータロガーという小型の記録機器を背負わせて、その動物の行動を調べる。

データの種類としては、3次元座標、加速度、磁気、映像などがある。

このデータロガーを背負った海生動物たちが、今まで人間達には見ることのできなかった海中での行動や生理、そして動物を取り巻く環境を明かしてくれる。


学校では変温動物であると教えられた爬虫類のカメ。深くなるほど温度が低くなる海中にあって、変温動物であるはずのカメの体温は海水の温度に応じて変化するはず・・・。しかし、データロガーによって明らかにされた事実は、海中深くもぐった海亀の体温はほぼ一定であった。

一方、恒温動物であると教えられた鳥、その仲間であるペンギンは、海中深く温度が低下するにしたがって、その体温も低下している事実が得られた。

事実は、学校で教わったことと反対なのか???


ペンギンは海に潜る前に空気を吸う。アザラシは潜る前に空気を吐き出す。ペンギンとアザラシの潜水行動の違いとは??


・・・などなど。

他にも見えなかったことが見えるようになってきた!? バイオ・ロギング科学、なんだかオモシロそうです。