『守護者 キーパー』 | 本だけ読んで暮らせたら

『守護者 キーパー』

KEEPER (1996)


『守護者(キーパー)』  グレッグ ルッカ/著、  古沢嘉通/訳  講談社文庫(1999)



いつかは読もうと思いながらも、長らくパソコン机の脇に積んでおいた。先日、なんとなく手にとって読み始めたら、イッキだった。

いいね。コレ! 完全に好み! おかげで寝不足ぎみ・・・


主人公はアティカス・コディアック。職業ボディーガード。

このコディアックが、仲間の3人のボディーガード達、ルービン、デイル、ナタリーと供に、産婦人科の女医フェリス・ロメロと彼女の娘ケイティのボディーガードの依頼を受ける。

ロメロ医師が経営する病院の周りでは連日、過激な中絶反対主義者達がデモを繰り広げている。病院に入ろうとする人達に対する嫌がらせがエスカレートし、数々の脅迫の手紙が送付されるようになってきていた。


ボディーガード達と脅迫者との攻防が開始される。。。


物語前半部のクライマックス。任務に対する大きな過失を負ってしまった後のコディアックの心情描写が巧い。内面に被った大きな傷、それを抱えたコディアックに更に襲い掛かる追い打ち。それらを背負いながらも、任務を全うしようとするストイックなプロフェッショナルの姿が描かれる。ハードボイルドだ。。。


やはり人物、特に主人公が良く描けている小説は読んでいてノメリ込める。主人公のコディアックという男、なかなか魅力あるキャラクターである。

そして、主人公を凌ぐくらいイイのは、物語の途中から登場する女性私立探偵ブリジット・ローガンである。彼女がまたイケテル!


物語の後半からは、コディアックに協力するローガンの言動にもワクワクさせられる。


そして、物語のラスト。

「ポゴを非難させろ」 ・・・カッコイイが痛ましいコディアックのセリフと供に迎えるラスト。

この締め方はせつない・・・・・が、好みではある。


欲を言うなら、過激な中絶反対主義組織の首領やメンバー達のキャラクターがキチンと創り込めていたら文句は無かった。もっと強烈な敵役であって欲しかった。



とにかく、このシリーズ、全部読む!



第2作: 奪回者



第3作: 暗殺者(キラー)


第4作: 耽溺者(ジャンキー)

第5作: 逸脱者〈上〉
    


わが手に雨を
   ん? これは・・・?? シリーズ外?