「環境考古学への招待 -発掘からわかる食・トイレ・戦争」
松井章/著、 岩波新書
今日ご紹介する本はオモシロかったです。
食卓の考古学、トイレの考古学、犬の考古学、牛馬の考古学、戦場の考古学、などなど、地面の中に埋まっていた遺跡のありとあらゆる物、土そのものに至るまで観察・分析し、考察した結果、そこには、その時代に生きていた人達の食生活や生活習慣や、その人たちを取り巻く自然環境に関する光景が浮かび上がってきます。
専門家としての知識の集積や現場観察を幾度となく繰り返してきたプロ(この著者のことです)の目には。
そして、この本を読むことによって、我々の頭の中にも同様の光景が浮かびます(そういう気になります)。
著者のプロとしての見識に裏付けられた観察や考察の過程の一部が、我々一般人にも解りやすく、また興味惹くように書かれています。
まさに、“新書の中の新書”、“新書とはこうあるべき”、といったような良い本です。
新刊本で700~800円チョット、ブックオフなどでは100~300円程度で、3・4日は楽しませてもらえるのですから、オモシロイ新書は、ホントお得感大です。