『生命とは何か -物理的にみた生細胞-』
- WHAT IS LIFE ?
- The Physical Aspect of the Living Cell (1944)
- 『生命とは何か ―物理的にみた生細胞-』 エルヴィン・シュレーディンガー/著、 岩波文庫(2008)
- 岩波新書初出(1951)、(1975)
ところどころ言い回しがくどくて読みにくい。だが、中身はすこぶる面白い。
昨年ベストセラーとなった新書で、私も読んだ『生物と無生物のあいだ』
。その本でも触れられていたのが、量子力学の創造者シュレーディンガーが書いた本書。 バリバリの物理学者が書いたこの本が、分子生物学の幕を開いたとも云われている。
原子の大きさに対して生物は、我々は、なぜこうも大きいのか??
なんて単純で、なんて根源的で、なんて魅力的な問い。すべてはこの問いから始まる。
遺伝子の大きさとか、遺伝子を構成する原子の個数とか、遺伝子が規則的な法則性のある働きを演じ、しかも奇跡的なまでの持久性あるいは永続性をもつとか、遺伝子の突然変異とか、が統計物理学・量子力学の立場から説明される。
上に挙げたようなことがいろいろと書かれているが、それでも、最初の問いがすべてだ。この問いにこそ価値がある。