『哀国者』 | 本だけ読んで暮らせたら

『哀国者』

PATRIOT ACTS (2007)
『哀国者』   グレッグ・ルッカ/著、 飯干京子/訳、 講談社文庫(2008)

(古沢氏はこのシリーズの翻訳を完全に降りたらしい。。。?)



本作は、シリーズものとしての骨格が変わってしまった前作『逸脱者』の後半からのストーリーをそのまま引き継いでいる。
私の前作に対する感想 はネガティブなものだった。その続きとなると・・・? しかも、本作もまた、分厚く、長い。読み出したときは途中で放り投げ出さないかと心配だった。

だが、このG・ルッカという作家、一級のストーリーテラーであるということを認めざるを得なくなってしまった。結局は終いまで読んで(読まされて)しまったのだから・・・。

登場人物たちの言動や物語の内容については、どうにも気に食わないのだが、話の行き着く先が気になって気になって仕方がなかった。そんな自分が面白くない。

でも、前作(第5作)と今作(第6作)と次回作(第7作)は、それ以前の作品とは完全に別モノと思えばイイのだ。超人達が敵をやっつけるアクションものだと割り切ってしまえば大して問題は無い。面白いと思ってしまった自分を許そう・・・。



さて、この作品を読み終わってみて・・・、

ミステリ小説に対して、私は案外保守的なんだ、ということに気付いた。

“この作品は、この作者は、こうなんだ”という固定した想いに捕らわれてしまうと、そこから変化・変形した内容に戸惑い、否定的になってしまう。気に入っていた作品に対しては特にそういう傾向が強いのかもしれない。。。




【アティカス・コディアック シリーズ】

第4作 『耽溺者(ジャンキー)』

第3作 『暗殺者 キラー』

第2作 『奪回者』

第1作 『守護者 キーパー』