『聞いてないとは言わせない』 | 本だけ読んで暮らせたら

『聞いてないとは言わせない』

DUST DEVILS (2007)
『聞いてないとは言わせない』  ジェイムズ・リーズナー/著、 田村義進/訳、 ハヤカワ・ミステリ文庫(2008)


先週金曜日、新潟出張の新幹線に乗る直前、大宮駅構内のLIBROで衝動的に購入した本作。


出張時には大抵の場合文庫を持って行くが、今回は当初持参した本をどうにも読む気がしなかったため、駅構内の本屋に寄った。そこで私を呼んでいたのがこの本だった。


読みやすい文章。意外なストーリー展開。隣の席のオッサンの大鼾もほとんど気にならずに、出だしから終わりまで一気読みだった。



主要な登場人物は2人。

一人は20歳ソコソコの男。こいつが、見渡す限り平坦な何もない畑地の中の一軒家の農場を訪れるところから物語りは始まる。その一軒家には40歳前後の女が一人住んでいる。彼女はブロンドできれいな顔立ちをしている。広大な土地に男女2人が暮らし始める・・・。が、こんなシーンは長くは続かない。

一軒家の農場に突如襲ってきた男二人。いきなり拳銃をブッ放して乱入。ここから、疾風怒濤の活劇が始まる。


現金輸送車の襲撃。銃撃戦。犯罪者同士の裏切りにつぐ裏切り。感動的な場面など一片もないハイパー・ノワール。予想される結末は2通りしかない。それは、読んでいる途中で明らかになった。2人に一人。どちらかの結末しかありえない。その結末に至る直前にはどんでん返しが待ち受ける。それも想定済み。

でも、ヤラレタ。 なるほどネ、って感じ。

このテのノワール小説は一般には嫌われがちだが、なぜか私は読んでしまう。