『騙し絵の檻』 | 本だけ読んで暮らせたら

『騙し絵の檻』

THE STALKING HORSE (1987)
騙し絵の檻 (創元推理文庫)/ジル マゴーン/著、 中村有希/訳、 創元推理文庫(2000)


幼馴染の女性を殺害し、その女性の素行を調査してた私立探偵をも殺害した罪で、16年もの間、刑務所に服役していた主人公。状況証拠は圧倒的に不利だった。それを覆すことは叶わなかった。

だが、彼は無罪だった。真犯人は別にいた。

仮釈放された主人公が真犯人を追う。容疑者は6人。その中の1人が彼を罠にはめた犯人に違いない・・・。

主人公の目的は、真犯人を炙り出し、復讐すること・・・。


この作品、“本格モノ”って云われている部類に入るのかな? 最後の最後に謎解きが行われる類のヤツ。


プロットもいいし、読みやすい。主人公の心情も理解できた。

ただ1点、どうしても理解できないことがあった。

主人公に協力する新聞記者の女性である。なぜ、彼女は、主人公の無実をそこまで信じることができるのか?その理由がまったく判らなかった。 (←この部分、これから読む人が興味を失わないように、伏字にしときます)


その理解不能のことが、読んでいる最中、そして最期まで付き纏った。

そんな訳で、イマイチ読後感がよくないんだよナ。 面白いことは、オモシロいんだけどね。