『逸脱者』
『逸脱者』 グレッグ・ルッカ/著、 飯干京子/訳、 講談社文庫(2006)
シリーズ第3弾 『暗殺者』 の続編、と書いた。・・・ってことは、あの女暗殺者“ドラマ”が登場する。アティカスらは、世界有数の暗殺者ドラマの影に怯えながらも、依頼人を守るミッションに挑む。
と、ここまではイイ。
ところが、第2部以降、正確には第1部のラストから、物語の様相はガラッと変化する。
どう変化するかというと・・・、一言で云えば荒唐無稽。
私には、プロットの大胆な展開と、その状況設定がいまひとつ納得できなかった。その状況に引きずり込まれたアティカスの心情にも、この物語のもう一人の重要な登場人物にも、ほとんど共感できる部分がなかったのである。
しかも、読み進むうちに、100ページを残してこの物語のおおよその結末の予想が付いてしまった。この状況設定では、あのようなラストしかあり得ないのではないかと・・・。あるいは、このシリーズを終わらせるしか。。。
主人公、登場人物に感情移入できない。。。理解できない。。。
そのせいで、第2部、第3部は、ず~っと憂鬱な気分で読んでいた。読むのを止めればいいのに・・・でも、物語自体は面白いから、そして、ラストが気になるから止められない。
ラストはほぼ予想通り。
この先、このシリーズは、アティカスは、KTMHチームは、ブリジットは、どうなってしまうんだ!?
著者であるG・ルッカ自身でさえ、この作品は読者に総スカンをくらうかもしれない、と覚悟していたそうだ(訳者あとがきより)。
アメリカでは、次作が出版されるまでに、それなりの時間が掛かったそうだ。そりゃそうだろう・・・。著者でさえ、シリーズのこの先の展開について、どう書いたらイイか?かなり迷ったのではないだろうか??
総スカンをくらうか否か、それは次作次第のような感じがする。。。
この作品について、他の人の評価も聞きたい(読みたい)です。
【アティカス・コディアック シリーズ】
第4作 『耽溺者(ジャンキー)』
第3作 『暗殺者 キラー』
第1作 『守護者 キーパー』