『お母さんは「赤毛のアン」が大好き』 | 本だけ読んで暮らせたら

『お母さんは「赤毛のアン」が大好き』




『お母さんは「赤毛のアン」が大好き』  吉野 朔実/著、 角川文庫(2004年) (初出は本の雑誌社2000年)

私は「吉野朔実のマンガ・エッセイ」が大好き。


本をよく読む人にはありがちな些細な所作や心情が描かれている。この作者が行っていること、感じていることに対して、自分の身に置き換えてしまい、相槌を打ちながら読んでしまう。

布団の中で本を読むときの姿勢が著者と同じだし(p.60)、最近、私も風呂での読書に挑戦しており、どんな本が風呂で読むのに最適なのかを吟味中だし(p.61)、読みかけの本ばかりあるというのも頷けちゃうし(p.99)、東野圭吾の『秘密』のカバーも外さなかったし(p.104)・・・と。


初っ端の「オースターたち」っていうマンガから笑った。わけ判らん出だしだったが、ちゃんとしたオチらしきものまであって見事な短編マンガだった。「赤毛のアン」が好きだという作者のお母さんも最高だった。


やっぱ、この人(著者)面白いわ!

たった120ページ程度の薄い本だが、1ページあたりのコマ数が多い上に、ひとコマひとコマに書かれている吹き出しやナレーションが多いから、中身は濃密。


楽しい小一時間が過ごせます。この本こそ、風呂の中で読むのに最適だ。