『ウォッチメイカー』 | 本だけ読んで暮らせたら

『ウォッチメイカー』

THE COLD MOON (2006)
『ウォッチメイカー』 ジェフリー・ディーヴァー/著、 池田真紀子/訳、 文藝春秋(2007)


ジェフリー・ディーヴァー本の翻訳最新作。リンカーン・ライム&アメリア・サックスのシリーズ第7弾。


今作を読み終えるまでにはかなりの日数を要した。

長期出張先、現場での仕事が忙しく、何度も中断期間があった。これまでは、中断でもしようものなら物語の先の展開が気になってしょうがなかったのに、今作では然して気にならなかった。以前なら、一度読み出したら読み終わらさずにはいられなかったディーヴァー本であったはずなのに・・・。


ディーヴァーの描いた作品であるから、プロットは二転三転して読者を煙に巻く。その腕前は相変わらずである。

が、そのストーリーの展開のさせ方に少々錆付きが見られるのでは・・・? と気になってしまった。どんでん返しのさせ方が、なんだか無理矢理という気がしなくもない。御都合主義的な箇所もいくつかあるような気がしてならなかった。

先にどんでん返し狙いのプロットありきで、物語中の人物達の言動(必然性)がそれに追いついて行ってないような気がした。

エピローグのオチも読めてしまったし・・・。
もしや衰えたのか? ディーヴァー!



【ディーヴァー本】

『死の開幕』

『12番目のカード』

『クリスマス・プレゼント』

『獣たちの庭園』

『悪魔の涙』



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関係ないけど、ドーキンスの書いた『ブラインド・ウォッチメイカー』という科学書もありましたな。。。

盲目の時計職人/リチャード・ドーキンス


この本 ↑ も、前作『利己的な遺伝子』 ↓ が衝撃的過ぎて、割を食った作品でしたな・・・。

利己的な遺伝子 <増補新装版>/リチャード・ドーキンス