『宗像教授異考録  第六集』 | 本だけ読んで暮らせたら

『宗像教授異考録  第六集』



『宗像教授異考録 (6)』  星野之宣/著、 小学館 BIG COMICS SPECIAL (2007)


この第六集には、中編3作が収録されている。


■再開

「竹取物語」と「浦島伝説」。この2つの話は、元々1つの神話だったのではないか!?

文化人類学者、宗像教授が、大和朝廷に最後まで抵抗した南九州を起源とする隼人一族の歴史、紀貫之の左遷、環太平洋地域の海洋民族に共通する宇宙観、などを包含する壮大な推理を披露する。


■テキスト 天空の神話

ギリシア神話などと比べて、星に関連する物語は皆無とされている日本神話。

しかし、遭難した古代船の上で、宗像教授が星々を指し示しながら学生達に語る記紀の物語には、日本神話にも星の神話が内在されていることを説く。


■黄泉醜女(よもつしこめ)

日本各地の遺跡から出現する仮面土偶。縄文遺跡から発掘された顔が扁平化した頭骨。そして、三角形の石面。これらが意味する古代女性シャーマンの役割とは?

宗像教授は、彼女らに課せられた恐ろしい役割を幻視する!

この話は怖い!



第1話と第2話には、日本神話に隠された“時間の観念”、“宇宙観”を扱った物語としての共通点が見られる。

また、第2話と第3話は、イザナギとイザナミの神話を扱っっている点が共通している。

同じ神話や日本の昔話をネタにして、星野氏は幾通りもの物語を創作する。時間を忘れて読み耽ってしまう。大したものだ。。。



【 星野 之宣 作品 関連記事 】


宗像教授異考録  第五集

宗像教授異考録  第四集
宗像教授異考録  第三集
宗像教授異考録  第二集
宗像教授異考録  第一集

宗像教授伝奇考

MIDWAY 歴史編

MIDWAY 宇宙編

ブルーホール その1

ブルーホール その2

巨人達の伝説