『宗像教授異考録 第六集』
この第六集には、中編3作が収録されている。
■再開
「竹取物語」と「浦島伝説」。この2つの話は、元々1つの神話だったのではないか!?
文化人類学者、宗像教授が、大和朝廷に最後まで抵抗した南九州を起源とする隼人一族の歴史、紀貫之の左遷、環太平洋地域の海洋民族に共通する宇宙観、などを包含する壮大な推理を披露する。
■テキスト 天空の神話
ギリシア神話などと比べて、星に関連する物語は皆無とされている日本神話。
しかし、遭難した古代船の上で、宗像教授が星々を指し示しながら学生達に語る記紀の物語には、日本神話にも星の神話が内在されていることを説く。
■黄泉醜女(よもつしこめ)
日本各地の遺跡から出現する仮面土偶。縄文遺跡から発掘された顔が扁平化した頭骨。そして、三角形の石面。これらが意味する古代女性シャーマンの役割とは?
宗像教授は、彼女らに課せられた恐ろしい役割を幻視する!
この話は怖い!
第1話と第2話には、日本神話に隠された“時間の観念”、“宇宙観”を扱った物語としての共通点が見られる。
また、第2話と第3話は、イザナギとイザナミの神話を扱っっている点が共通している。
同じ神話や日本の昔話をネタにして、星野氏は幾通りもの物語を創作する。時間を忘れて読み耽ってしまう。大したものだ。。。
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