『植物の生存戦略 「じっとしているという知恵」に学ぶ』 | 本だけ読んで暮らせたら

『植物の生存戦略 「じっとしているという知恵」に学ぶ』


『植物の生存戦略―「じっとしているという知恵」に学ぶ』  「植物の軸と情報」特定領域研究班編  朝日選書(2007)  


遺伝子やDNAに関するポピュラー・サイエンス本というのが結構たくさん出ている。それらの本の中で挙げられている例は大抵の場合、動物・昆虫だ。特にマウス、ショウジョウバエを扱った研究例が多い。


植物を題材としたものはなかなか少ない。この本は、その少ない植物科学のポピュラー・サイエンス本。


“植物の生存戦略”、“じっとしているという知恵”と題されているが、そういった「種としての大局的な生き残り戦略」といったことにスポットを当てている箇所は一部にすぎない。

むしろ、植物のいろいろな側面・パーツ(葉の形状の違い、花の咲く仕組み、受粉などのメカニズム、などなど)に対して、分子生物学的、遺伝情報学的な観点から網羅的に解説している部分の方が多いような気がする。

ともあれ、素人に判りやすく! ということをコンセプトに題材が選ばれ、書かれている。その点は成功していると思う。

(でも、正直云って、動物・人間を対象にした研究事例のほうが面白い・・・)