『暗殺者 キラー』
SMOKER (1998)
ボディーガード、アティカス・コディアックの第3弾。
シリーズ2作目を読んでからだいぶ時間が経つ。その間、カミさんが先にこの3作目、ついでに4作目まで読み進んでいた。。。
前2作でのプロフェッショナルらしからぬ仕事(?)の顛末から、業界での評判を低下させたアティカス。
そのアティカスと仲間達が、タバコ製造企業を相手取った大型訴訟に臨む証人を、伝説の暗殺者の魔の手からガードする。
読み進める先で待ち受けるいくつものエピソード。
アティカスらの最大の敵は“ジョン・ドウ”と呼ばれる正体不明の暗殺者である。その暗殺者から警護対象者をいかに守るのか? これが物語の縦糸(主軸)となる。
そして、その縦糸には幾筋もの横糸が絡みつく。アティカスの別れた恋人ブリジットへの未練。そのブリジットの親友であり、警護チームの同僚でもあるナタリー・トレントとの関係。そのナタリーの父親で、大手警備保障会社センティネル社社長のエリオット・トレントやセンティネル社新幹部との確執。混成部隊である警護チーム内部での主導権争い。キャリア・アップのために事件を追う新聞記者の存在。アティカスらの周辺に現われる姉弟の私立探偵の謎の行動。警護対象者の強烈な個性。その警護対象者とアティカスとの間に存在する信頼関係。
これら、いくつものエピソードが縦横に錯綜して構成されるプロットはパワーに溢れている。
600ページ近い大作だがイッキ読み。
しかも、第1作や第2作の結末と異なり、ラストが痛快!
(個人的な好みは、第1作、第2作のラストの方だが・・・) このシリーズ、お薦め。
【アティカス・コディアック シリーズ】