『まだ見ぬ書き手へ』
『まだ見ぬ書き手へ』
丸山健二/著、 朝日文芸文庫(1997)
最近、丸山健二という作家の小説を2作続けて読んだ。
丸山健二の著作は、小さな本屋ではお目にかかれないので、大きな本屋かネット書店で購入するか、もしくは図書館で借りることになる。
Book Offを毎週のように覘くが、そこでも丸山健二作品にはなかなか出くわさない。
先日、たまたま行ったBook Offにこの作品があったので、丸山本ならなんでもイイやと思って購入した。105円だったし・・・。
この本、小説ではない。
丸山が、日本文壇と日本の小説の現状を嘆き、まだいない、これから出現することを望む新たな小説家を期待して、小説とはこのように書くのだ、と手引きする指南書。
おそらく丸山健二自身が実践しているのであろう小説の創作手法と心構えを書いているのだろう。
あまりにもストイックで、自己に厳しくなければならない。
そこまでの気構えがなければ書けないのだとしたら、文学を書ける人間なんて、仙人ぐらいになってしまう・・・・・。
そういうのは丸山健二だけでいいんじゃない!? と、軟弱な私などは思ってしまう・・・。
(だからこそ、丸山作品には価値がある!)