『蝶々はなぜ菜の葉にとまるのか』 | 本だけ読んで暮らせたら

『蝶々はなぜ菜の葉にとまるのか』


『蝶々はなぜ菜の葉にとまるのか―日本人の暮らしと身近な植物』 
 稲垣 栄洋/著、 三上修/絵、 草思社(2006)


“ちょうちょう音譜 ちょうちょう音譜 菜の葉に止まれ。音譜 菜の葉に・・・”

↑↑↑ 童謡 「ちょうちょう」 の一節。


■なぜ蝶々は菜のではなく、菜のにとまるのか??


他にも、

■桃太郎はどうしてから生まれたのか?


はなぜめでたいのか?


■なぜ泥棒の風呂敷は唐草模様なのか?


・・・・・などなど、身近な植物にまつわる “何故? なぜ? ナゼ?” についての30編のエッセイ。


私は、このテの素朴な疑問に答える話が好きだ。


世の中の大抵のことは、解っているようで判っていない。自分では判っていると思っていても、キチンと言葉にしたり文章にできるほど理解しているものは案外少ない。・・・私の場合はほとんど無いに等しい。

ときおり、こういった本を読んでは、チョイと賢くなったつもりになる(翌日には元に戻っているけど・・・)。



それにしても、この著者、昭和43年生まれというから40歳手前。それにしては語り口が、どうも年寄りくさい。読んでいる時は70歳とか80歳の大学を定年退職したような好々爺の方の文章かと思った。

文章自体は平易で明瞭なので、もう少し若々しい物言いであればイイのに・・・と、思った。

ただ、ところどころに挿まれたペン画は非常にオーソドックスで、少し古くさい語り口にはマッチしている。

読者層の年齢を私などよりも高いところにおいているのなら、この語りっぷりとイラストの組み合わせはイイのかもしれない・・・。


何はともあれ、他の長編小説や小難しい本に取り組んでいる際の骨休め・箸休めとして読むのには一編一編の長さが丁度良く、手頃である。鞄の中に入れておいて、チョットした待ち時間に一編読むのもイイ。