『文明崩壊』 その8
ジャレド・ダイアモンド/著、楡井浩一/訳、草思社
本編の方は読み終わったのだが、巻末に参考文献の紹介が30ページにもわたって掲載されていることに気付いた。
まさに、参考文献の“紹介”というのに相応しく、1冊1冊、1論文ずつ、1資料ずつ、1URLごとに著者の簡単なコメントが添えられている。
内容の説明や論考についてもそうだったが、こういったところにも、著者の誠実さや心意気が伝わってくる。欧米の学者達の“自著を出版する”ということに対するコダワリにはいつも感心させられる。
さて、この参考文献の紹介の中で、最後の最後に書かれている文章(ここだけで、なんと5ページにも及ぶ主張が書かれている)、実はそれが結構な優れものであることを発見した。
最終16章の冒頭で語っていた、環境問題に対して一人ひとりの人間が現実的に対応する方法について、具体的に説明されている。
個人がいったい何をすれば事態を変えられるのか? そのヒントが挙げられている。
著者ダイアモンド氏の「慎重な楽観主義者」としての見識から出た真面目な提案なのだろう。
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