俯瞰して見よう | 本だけ読んで暮らせたら

俯瞰して見よう

「生命40億年全史」
リチャード・フォーティ/著、渡辺政隆/訳、草思社、価格:2,520円



著者: リチャード フォーティ, Richard A. Fortey, 渡辺 政隆
タイトル: 生命40億年全史


 何かを知りたいと思ったとき、その分野の全体がおおまかに見渡せるように書かれた本というものは貴重です。それが判り易ければ更に貴重です。この本はその種の貴重な作品の1つだと思います。
 この本を読んだきっかけは、娘(幼稚園児)が恐竜や化石に興味を持ち出しはじめて、どうして動物が生まれたのか?とか、いつから恐竜がいて、いついなくなったのか?などなど、いろいろと聞いてくる時期だったのと、どこぞの新聞書評欄に評判が載っていたのが重なったからでした。恐竜誕生前・後だけでなく、生命進化の過程を概観するにはお勧めです。

 それにしても、理科学・工学分野に関する開発史・発展史や、ある分野全体を俯瞰した解説書など、欧米人はなぜかこういう本(理科系の啓蒙書とでもいうのでしょうか)を書くのが上手いような気がします。そういう本を日本語訳して出版する日本人も偉いですが...
 この手の本を読んだ記憶の中で最も古いものは、カール・セーガン「コスモス」あたりでしょうか?
 リチャード・ドーキンス「利己的な遺伝子」も衝撃的でした。一時、なにかにつけ、“自分の行動は遺伝子に操られており、意思とは関係ないんだ、俺は単なる遺伝子の伝達役に過ぎないんだー”、とか言っていました。遺伝子関連の本については、最近またハマリ出しましたので、そのうち何冊か取り上げてみたいと思います。

話がそれました。

何が言いたかったかというと、日本人のサイエンス・ライターにもがんばってもらいたいなー、です。

 アー、それと、なぜ恐竜の時代がはじまったのか?そしてその後の哺乳類繁栄の時代...など、昨日、ここで取り上げた、HNKスペシャル「地球大進化」関連本の第4巻に最新の学説が載っています(NHKの宣伝ではありません)。おもしろい説です。